朝昼晩のストレッチ


ストレッチはもともとスポーツ傷害の予防のために使われていたが、最近、健康増進の目的にも活用されるようになった。精神を和らげ、体の調子を整える効果があるだけでなく、特別な道具も用いず、狭い空間でもできる便利さからみて家庭でできる最適な運動といえる。 

☆朝起きたら、布団の上でのストレッチ☆


睡眠中には運動をしていないため、朝は一日の中で筋肉が最も硬い状態にある。ストレッチで筋肉を心地よく伸ばして目覚めをすっきりさせることは、健康のためにも、一日の能率をアップするためにもすばらしい効果がある。
  • おなかを布団につけておいて、胸を持ち上げ頭を後ろに引く。(1回10秒・5回繰り返す)
  • ひざを伸ばしたまま脚を上げる、両手でしっかりバランスをとる。(左右各10回)
  • 背を伸ばした状態で45度くらい前屈させる。(1回10秒・5回繰り返す)
  • 手のひらをひざのの方に向けて両手、両ひざをつき腰をゆっくり下ろして正座する。(1回20秒・3回繰り返す)
  • 脚を広げて座り、右手が左足先に触れるように体を倒す。(左右各10回)

☆午後のストレッチ☆


朝の7時に起きるとすると、午後3時はちょうど8時間を過ぎたころ。このころになると心身とも疲労が蓄積してくる。そこで、もう一度ストレッチを行って筋肉の緊張を除き、血行を改善して、疲労を回復させよう。
  • 両手を組み、手のひらを体と反対側に向けて体をひねる。ひねる方向の反対側のひじは深く曲げないように。(左右各10回)
  • 右手で左手を握り、体重を左足に移してから体を右に曲げる。右手で左腕を引くようにする。(左右各10回)
  • 両脚をやや広く開いて立ち、両腕をを左右に開いて一方の手を他方の足首の外側に当たるように体を斜め前に曲げて、反対側の腕を反らす。(左右各10回)
  • できるだけ両脚を前後に大きく開き、両手をひざの上に置き、腰を低く落とす。(両脚交代で10回繰り返す)

☆就寝前のストレッチ☆


寝つきが悪いといわれる人の多くは、一日の緊張が心や筋肉に残っている場合が一般的である。簡単なストレッチをすれば、夜の安眠をもたらすのみならず、翌朝も爽快(そうかい)になるでしょう。
  • 仰向けの姿勢で一方の脚のひざを両手でかかえ、胸に押すようにして引き寄せる。(両脚交代で10回繰り返す)
  • 楽な姿勢で座って、背を伸ばした状態で前後左右それぞれの首のストレッチを行う。(10回繰り返す)
  • 両足を裏を合わせて座り、かかとを手前に引き寄せる、腰から折れるように体を曲げる。(1回10秒・5回繰り返す)
  • 布団に両手、両ひざをつけて腰を後ろに引き、ひじを布団につけるように背を伸ばす。その時背は反らせないようにする。(1回10秒・10回繰り返す)


ストレッチ&リラクセーション〜一日の終わりに〜


現代社会はストレス過剰社会といわれるように、日々さまざまなストレスにさらされています。ストレスには精神的なもの、肉体的なものとさまざまなものがありますが、そういったストレスが溜った状態になると、体にさまざまな障害を生じてきます。腰痛や肩こり、頭痛などがその代表例といえるでしょう。また、成人病と言われているものも、このストレスが一つの原因となって発症することがわかっています。

☆ストレスに負けないために☆

ストレスは我々の生活と切っても切り離せないものですが、快適に毎日を過ごすためには、いかにこのストレスに打ち勝つかが大きなポイントとなります。そのためにストレスに負けない精神力、体力を作りあげておくのはもちろんですが、なるべく日々のストレスを溜めないようこまめに解消する手段を持つことも重要です。
 ストレスの解消法は人それぞれで、例えば酒を飲む、カラオケで大声を出す、運動する、趣味に没頭するなども有効な方法でしょう。その中でも運動は日々のストレスを解消する効果が高いだけでなく、継続して実施することによって、ストレスに負けないからだを作り上げるのに有効な手段です。体力に自信が持てるようになるとストレスに対する抵抗力も高まってくるというわけです。

☆ストレスを溜めないためのストレッチ☆

日々のストレスをできるだけ溜めないためのストレッチを紹介します。ストレッチは、筋肉を通常以上の長さにゆっくり伸ばし、それを保持するという柔軟性を向上させるための運動です。筋肉の緊張を緩和し、血液の循環を良くするので、疲労回復に役立ちます。また筋肉のみならず神経の緊張も和らげる効果があるので、リラクセーションを得るために大へん役立つのです。
運動というものは、まさに継続は力なり。一度にためて行うのではなく、日常の生活の中に無理なく取入れ、根気よく続けて実施することが大切です。ストレッチは手軽に実施できるので、続けて行うことが比較的簡単な上に必ず効果が出てくるものなので、大へんお勧めの健康体操といえるでしょう。夕食を済ませてホッと一息の時間やテレビを見ながらの時間、入浴後就寝前の時間などを有効活用してみましょう。一日の疲れを癒し、次の日の朝を爽やかに迎え、気持ちよくスタートすることがきっとできるはずです。
また、入浴後は体温が上昇し、筋肉の伸長もスムーズになります。ストレッチはこういったときに行うと効果が上がります。さらにリラクセーション効果を高めるには、ゆったりとした音楽をかけながら行う、静かな環境で行うなどといった工夫も大切でしょう。



健康づくりのための体操としてのストレッチ


☆慢性疲労性腰痛・肩こりにきわめて効果的☆

ストレッチはスポーツの領域にとどまらず、健康づくりのための体操と しても大いに活用されています。 腰痛とか肩こりが若者にまで急速に増えている背景には、運動不足と緊張の 多い生活習慣があり、これが筋肉を異常に短縮させて、一種の慢性疲労状態をも たらしているのです。このため、筋肉を伸ばすことを目的としたストレッチは、その予防と回復にきわめて効果的な体操となります。

☆同じ姿勢を長時間続けることで筋肉が短縮し痛みが起こる☆


整形外科医を訪れる患者でいちばん多いのが腰痛のようです。それは二本足 で直立歩行をする人間の宿命です。というのは腰部への負担が大きくなる姿勢を 基本姿勢としているからです。特殊な場合を除いて、腰部への負担が長い間にわ たると、筋肉は柔軟性に欠ける硬い筋肉に変化してしまい、そうなった時に、大 部分の腰痛が発症します。膝を伸ばして、反動をつけずにからだを前に曲げたとき、手が床につかない 人は、腰とその周辺の筋肉が硬くなっている証拠で、腰痛が起こりやすくなって います。 腰痛がオフィスワーカーに多いのは、机に向かって座って仕事をする時間が 長いからです。座位姿勢は、腰とその周辺の筋肉の短縮を加速させるからです。 肩こりも同様の原理で起こります。製図書きの人に肩こりが多いのは、首や 肩の緊張が繰り返されるからです。つまり、じっと、緊張して同じ姿勢を長く保 っていなければならない仕事ほど、肩の周辺が硬くなり肩こりを起こすのです。

☆予防、回復手段のストレッチは1日1〜数回行なう☆

そこで、予防または回復の手段としてストレッチを行ない、短縮した筋 肉を元の長さに戻すこと、それによって血行を改善すること、筋肉に柔軟性をも たせて疲労の蓄積が起こらないようにすることで予防効果が出るのです。ただし 、毎日実践することが大切でしょうし、場合によっては1日に数回行う必要があ るでしょう。