2004年7月 気になる出来事
2004/07/31 Sat
宮内庁は皇太子妃雅子さまの病状について、「適応障害」と発表する。これまで宮内庁は具体的な診断結果については公表していなかった。病状としては軽度で、帰国子女が日本になじめない例のように、新しい環境に適応が難しい「適応障害」という。環境が変わっていけば、十分克服できるなどとの説明になる模様だ。

2004/07/30 Fri
人事院は今年度の国家公務員の給与について、昨年度まで2年続けて引き下げられていた月給を今回は据え置くよう勧告する方針を固めた。ボーナス(期末・勤勉手当)も引き下げはないことが確実な情勢で、5年続けて減っていた国家公務員の年間給与は6年ぶりに下げ止まる見通しになった。8月6日にも勧告を国会と内閣に提出する。

2004/07/29 Thu
社会保険庁は03年度の国民年金保険料の納付率が63.4%になったと発表した。8ポイント余り落ち込み、過去最低となった02年度よりは0.6ポイントに上がったものの、ほぼ横ばいだった。先の国会で成立した年金改革法は07年度までに納付率を8割に上げることが前提になっているが、回復の道のりは険しそうだ。同庁は昨年度、13年ぶりに強制徴収を29件実施した。04年度は3倍の規模で行い、納付率の向上につなげたいとしている。

2004/07/28 Wed
福井豪雨で被災した住宅再建のため、福井県は国の制度に独自で上乗せすることで、1世帯あたりの最高額で、全壊は400万円、大規模半壊は200万円、一部破損・床上浸水は50万円まで支給する支援策をまとめた。上乗せ分の2分の1を県が、4分の1ずつを市町と被災者が負担する。被災者に一部負担してもらうことで、個人の資産形成への流用を防ぐとしている。支給対象は、家屋の解体やがれきの撤去だけでなく、新築や補修にも広げる。水害を対象とした自治体独自の大規模な支援策は全国初。

2004/07/27 Tue
イラク戦争の報道ぶりをめぐり、かねて米国から「アラブ寄り」と批判を浴びているカタールの衛星テレビ局アルジャジーラへの風当たりが一段と強くなっている。米民主党の全国党大会が開かれるマサチューセッツ州ボストンのコンベンションセンターでは、アルジャジーラの社旗がずされイラク国内では支局閉鎖を求める声も出ているという。

2004/07/26 Mon
あいおい損保は、自動車事故で歩行者が死傷した場合、被害者側に過失があっても損害全額を補償する保険を10月から発売する。これまでは被害者側の過失割合に応じて保険金支払額が減額されるのが一般的で、全額補償は損保業界で初めてという。長期化することもあった和解交渉の早期解決に役立つとみている。自動車保険の特約として取り扱い、年間の保険料は1500円程度高くなる。

2004/07/25 Sun
大阪の都心でクマゼミが増えているのは、ヒートアイランド現象や温暖化が原因って本当?――。子どもたちと研究者が科学的に解明しようと大阪市の大阪城公園でクマゼミの羽に自分の名前や日付をつけて飛ばす試みをした。後日、「見つけた」という情報を回収し、セミがどれだけ移動できるかなど生態を詳しく調べる。指導にあたるのは、大阪市立大学教授の沼田英治さん=動物生理学=と大阪市立自然史博物館学芸員の初宿成彦さん=昆虫分類学。

2004/07/24 Sat
国際的に重要な湖沼や干潟などの保全を目指すラムサール条約の登録湿地を大幅に増やすため、環境省は有識者による検討会をスタートさせた。国内では釧路湿原(北海道)や琵琶湖(滋賀)など13カ所が登録されているが、来年11月にウガンダで開かれる同条約第9回締約国会議までに新たに9カ所以上を候補地として選定する方針だ。

2004/07/23 Fri
中絶胎児を一般のごみとして処分していた横浜市中区の産婦人科「伊勢佐木クリニック」が、最近まで月平均十数件の中絶手術を実施していたことが関係者の証言でわかった。横浜市の調査に対して「月3〜5件」とした原田慶堂院長の説明と食い違うため、同市はカルテとの照合や処理の委託先から話を聴くなどして事実確認を進める。

2004/07/22 Thu
土用の丑(うし)の日東京・築地の「うなぎ はいばら」では、朝からかば焼きを求める人たちの列ができた。同店では今日のために千枚を超えるうなぎのかば焼きを用意。店頭で職人が次々に焼き上げると、秘伝のタレが辺りに香ばしく漂った。連日のように猛暑が続くが、うなぎは栄養価が高く、ビタミンも豊富に含まれることから夏バテ予防には最適と言われている。

2004/07/21 Wed
小泉首相は曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんの訴追問題について、「米国の立場と曽我さんの家族が日本で一緒に暮らすこと(を両立させるの)は、法律解釈上、難しい問題がある。日米両国が満足できる解決の道を探っていきたい。米国が(現時点で)引き渡しを求めないこと自体、(米国による)特別な配慮の一環だ」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。

2004/07/20 Tue
言葉の遅れや自閉症が、テレビやビデオ視聴のせいだとする十分な科学的根拠はない――。日本小児神経学会(青木継稔会長)はそんな提言を発表した。小児科医らの団体から、長時間視聴の影響を懸念する提言が相次いでいるが、「育児不安をあおりかねない」と冷静な対応を求め、今後、望ましい視聴時間、方法、番組内容について科学的検討が必要だとした。

2004/07/19 Mon
第86回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)の沖縄大会決勝が北谷町の北谷公園野球場であり、中部商が沖縄水産を4−1で下し、全国で最初に代表を決めた。中部商は一昨年、同じ顔ぶれでの決勝を制して初出場を決めて以来、二度目の出場。選手権大会は8月7日、阪神甲子園球場で開幕する。

2004/07/18 Sun
川口外相は東京都内の外務省麻布台別館で米国のベーカー駐日大使と約30分会談した。ベーカー大使は、来日する拉致被害者曽我ひとみさんの夫ジェンキンスさんについて、「健康状態を考慮して、身柄引き渡しの請求は遅れることになるだろう」と述べた。ジェンキンスさんが入院し治療を受けている間は、米政府として身柄の引き渡しを日本側に求めない考えを明らかにした発言だ。

2004/07/17 Sat
西日本に住む40代の女性が夫の死後、凍結保存していた精子による体外受精で男児を出産したとして、男児を夫の子として認知するよう求めた訴訟の控訴審判決が高松高裁であった。松本信弘裁判長は請求を棄却した一審判決を取り消し、死亡した男性の子であると認知する逆転判決を言い渡した。妊娠時に死亡していた男性を父親と認める司法判断は初めて。生殖補助医療を巡る議論に大きな影響を与えそうだ。

2004/07/16 Fri
米政府高官は拉致被害者曽我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんが病気治療を理由に来日を予定していることについて、日米間で「ある種のコンセンサス(見解の一致)に至りつつある」と述べ、人道的な配慮から、身柄の引き渡しを当面求めない方向で調整していることを認めた。そのうえで「米政府としては、彼に対して持っている権利を主張し続けることが重要だ」と述べ、訴追免除や恩赦などの措置には応じられないとの姿勢を改めて示した。

2004/07/15 Thu
バウチャー米国務省報道官は定例会見で、イラクでの人質事件を受けてフィリピンのセギス外務次官がイラク派遣部隊の早期撤退を表明したことに対し、「イラクが安定と平和へ向けて戦っている時にこうした発言があり、がっかりしている」と失望感を示した。駐フィリピン大使がアロヨ大統領とこの問題で協議していることも明らかにした。

2004/07/14 Wed
労組日本プロ野球選手会(ヤクルト・古田敦也会長)の松原徹事務局長は東京都内のコミッショナー事務局を訪れ、近鉄とオリックスの合併問題に絡んで最終的にストライキも辞さないことを決めた10日の臨時大会の内容を伝えた。26日に開かれる実行委員会の議題にすることを求めた。連合の笹森会長が選手会幹部との会談を求めていることについて、「古田会長が直接会うことはないが、代わりの者が、様々なことをうかがって参考にしたい」と語った。

2004/07/13 Tue
他人の吸うたばこの煙で健康を害したとして、東京都江戸川区の男性職員が同区に治療費や慰謝料として約32万円を求めていた訴訟の判決が東京地裁であった。土肥章大裁判長は「区は一定の範囲において、受動喫煙の危険性から原告の生命、健康を保護するよう配慮する義務を負っている」と判断。分煙が徹底していなかった1996年1〜3月の職場環境には問題があったと認め、区に5万円の慰謝料の支払いを命じた。たばこをめぐる健康問題に取り組んでいる市民団体によると、喫煙をめぐる訴訟で原告の訴えを認め、賠償を命じた判決は初めてだという。

2004/07/12 Mon
気象庁は中国、四国、九州地方で梅雨明けしたとみられると発表した。平年より2〜9日早く、冷夏だった昨年よりは11〜20日も早く夏本番を迎えた。 同庁によると、この地方は太平洋高気圧に覆われて晴れ上がり、向こう1週間はにわか雨が降ることもあるが、晴れる日が続く見込みという。 各地域別の梅雨明けの時期は、中国が平年より9日、四国が6日、九州北部は7日、九州南部は2日早かった。

2004/07/11 Sun
米上院情報特別委員会がイラクの大量破壊兵器開発能力に関する情報分析の誤りを指摘する報告書を発表したのに対し、ブッシュ大統領は直ちに反論した。同日、遊説先のペンシルベニア州で「大量破壊兵器の備蓄は発見できなかったが、サダム・フセイン(元大統領)はこうした兵器をつくる能力を有していた。彼は危険な男だ」と述べ、イラク戦争を改めて正当化した。

2004/07/10 Sat
ソフトウエア最大手の米マイクロソフト社が、同社製の基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の使用権を与えるライセンス契約を日本のパソコンメーカーと結ぶ際に不当な条件を押しつけていたとして、公正取引委員会は独占禁止法違反で近く同社に排除勧告する。OS市場で9割強を占める同社は米国、欧州連合など独禁当局と衝突してきたが、同社本社に公取委が勧告をするのは初めて。

2004/07/09 Fri
国松孝次・警察庁長官(当時)狙撃事件で、オウム真理教元教団代表、松本智津夫(麻原彰晃)被告ら教団幹部が95年3月30日の事件直前、銃や自転車など狙撃事件の準備とみられる行動を取っていた。実行役の逃走を支援したとみられる教団「防衛庁」元長官、植村(旧姓・岐部)哲也容疑者は、捜査員から「ダミー役」と指摘され、動揺をあらわにしたこともあったという。立件に向けた焦点を追った。

2004/07/08 Thu
市立札幌病院で手術を受けた際に体内にガーゼを放置され、13年後に診断を受けた手稲渓仁会病院で誤診に基づく手術をされたとして、札幌市の男性会社員が、それぞれの病院を経営する札幌市と医療法人渓仁会を相手取り、計約1800万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。

2004/07/07 Wed
野沢太三法相は閣議後の会見で、タイで両親と死別し、祖父母と暮らす日本での定住を求めている東京都荒川区立尾久八幡中学1年生、吉田メビサさんについて、当面の在留資格の更新を認めたうえで、定住資格を認めることも検討するよう入管当局に指示したことを明らかにした。

2004/07/06 Tue
細田博之官房長官は記者会見で、北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさんと、夫のジェンキンスさんら一家4人を9日にインドネシアの首都ジャカルタで再会させることで、北朝鮮、インドネシア両政府と合意したと発表した。政府は参院選投票日の11日より前の再会実現を目指し、両国政府にこの方針を伝えていた。一家は曽我さんが日本に帰国して以来、1年9カ月ぶりの再会となる。

2004/07/05 Mon
大豆由来の健康成分「大豆ペプチド」が注目されている。大豆たんぱく質が分解されてできるアミノ酸の結合体だが、通常のアミノ酸よりも体内への吸収効率がよく、疲労回復効果などを示す研究発表もあり、メーカーは相次いで配合商品の開発に乗り出している。

2004/07/04 Sun
土星の輪で、原子の状態で存在する酸素が急増していることを、探査機カッシーニが初めてとらえた。輪の中の氷塊や岩石が衝突を繰り返している結果とも考えられ、遠い将来には輪が消失する可能性があるという。紫外線撮像装置による観測成果で、米航空宇宙局のジェット推進研究所が発表した。ハッブル宇宙望遠鏡が土星の周りで水酸基を観測したことはあるが、酸素が単体で見つかったことはなかったという。

2004/07/03 Sat
兵庫県警自動車警ら隊が実績作りのために虚偽の捜査書類を作成した問題で、県警は特別捜査チームの調査が終了するまで、同隊員約180人の人事異動を凍結する方針を決めた。9月に予定されている秋の定期異動からも同隊を切り離す。全容解明や関係者の大量処分を進めるのに数カ月を要するためで、警察の人事異動が不祥事によって部署ごと見送られるのは極めて異例だ。

2004/07/02 Fri
川口外相は北朝鮮の白南淳外相とジャカルタ市内で会談し、拉致被害者・曽我ひとみさんと平壌にいる夫ジェンキンスさんら一家4人を近くインドネシアで再会させることで合意した。日本側は次女ブリンダさんの誕生日である今月23日までの再会実現に向け、北朝鮮側と日程や再会場所の調整に入る。曽我さん一家の再会は今月中に実現すれば、曽我さんの帰国から約1年9カ月ぶりとなる。川口外相は会談後、記者団に対し「ジェンキンスさんはインドネシアでの再会に同意した。場所、時期についてはこれから詰める。北朝鮮側も早ければ早い方がいいと同意した」と語った。

2004/07/01 Thu
会社更生手続き中のテーマパーク、ハウステンボスは東京地裁から更生計画の認可を受けた。野村証券グループの投資会社、野村プリンシパル・ファイナンス(NPF、東京)が計110億円を出資して、11年に及ぶ経営再建に乗り出す。計画では、7月中に現在の資本金を全額減資したあと、NPFが80億円を出資。07年3月までに30億円を追加する。債務2293億円のうち200億円強を11年かけて弁済する。